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会話 1

 病院でのお見舞いの際に、同室だった、見ず知らずの95歳のお婆さんとKimiとの10分ほどの会話を見て感じたことについて書いてみます。
 グーグルで「老人慰問」で検索しましたが、出てくるのは、老人ホーム慰問や、演奏等の技能の持ち主の慰問ばかりのようです。「自殺防止」の活動の講習にも参加させていただいたことがありますが、その時に教わったことの一つに、相手の話をひたすらに聞く事があげられていました。私共、夫婦のように、無能、無芸な人間にも出来ることは、穏やかな話し相手になることぐらいしか有りませんが、あのお婆さんの笑顔を思い起こすと、談話室に出かけるのも困難なご老人には、枕元に座って、相槌を打つだけしか能が無くても、しばし、穏やかな時間の流れの中に身を置き、いろんな事忘れて、人と会話をすることは、非常に大切なことではないかと思いました。多分、老人のことだから、何度も、同じ事を繰り返す会話になると思いますが、時々、人が変れば、同じ事を繰り返しても差し支えないことだと思います。家族の場合は、耳にタコになっていますから、又その話かとなることも有ろうかと思います。95歳の方からすれば、73歳の私も22歳の時に産んだ子供に当りますから、子供と話をしているようなものだと思いますが、本当に楽しそうにして話していらっしゃいました。
 その方は、「今、何時か教えてくれんかのし」と声を掛けてこられました。時計をしていたKimiがベッドの傍により「2時半ですよ」といいますと、「そうかえ、もう昼ごはんは済んだやね、忘れてしもうた」と答えました。「夕飯は、なんじですか」:K。「5時なんさ」、「あんたは、何処の人?」:O。「それなら、まだ晩御飯までは時間があるわね」「隣の熊野から来たんさ」「お婆さんは、何処の人」:K。こんな、何の変哲も無い話しでした。長時間になれば、愚痴も出たでしょうし、楽しい話も出たでしょう。非常に難しいのは、このように積極的に声を掛けてこられた方だから、話をつなぐことも容易ですが、話しかけられると欝うしい方や、その日の体調や、医師の指示があることもあるでしょうから、病人の慰問は、非常に困難なことかと思います。しかし、本当に、短い時間の会話を楽しんで頂けたと思いました。都合で切り上げましたが、もう少しは、お相手して、「もうじき、夕御飯ですよ」と時間の経つのを忘れられるように出来たらよかっただろうにと思いました。
 
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by nyasu559 | 2011-03-09 00:51 | 雑感 | Comments(0)